妊娠中に食べてはいけないもの

妊娠中に食べてはいけない、飲んではいけないものとして、代表的なものに、アルコールやカフェイン、ポリフェノールがあります。

アルコールは少量なら、大丈夫と以前は言われていました。現在は少量のアルコールを時々摂取するだけでも流産、早産、先天奇形が発生すると言われているため、避けたほうが良いです。

カフェインの影響

カフェインは過剰摂取をすると、中枢神経系の刺激による心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの健康被害を引き起こすことが知られています。妊娠中に過剰摂取すると胎児の発育遅延をきたすと言われていますので、せいぜいカップ1−2杯に制限してください。

ポリフェノールの影響

また、カフェインよりも、コーヒーやココア、チョコレートに含まれているポリフェノールも問題視されています。ポリフェノールは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に役立つと言われていますので、最近の健康ブームに乗って、過剰摂取をする傾向にありますが、臨月にポリフェノールを過剰摂取すると、胎児に心不全を起こすことがあり、注意が必要です。最近、分娩予定日近くの胎児に突然の不整脈をきたした症例を経験しましたが、調べてみると胎児の心臓に形態的な異常はなく、実は母体のポリフェノールの過剰摂取が原因だったことが判明しました。過剰摂取量は定められていませんが、臨月に入るとなるべく避けるように注意しましょう。

妊婦用のサプリメントを選びましょう

妊娠前から、葉酸を含むマルチビタミンの摂取を勧めていますが、ビタミンAは催奇形性があるため、摂り過ぎてはいけません。

ビタミンAは視覚、聴覚、生殖等の機能維持、成長促進、皮 膚や粘膜など上皮組織の保持や分化、遺伝子発現を介する制ガン、たん白質合成等、重要な脂溶性ビタミンで、レチノールやβカロテン(体内でレチノールに変換されるプロビタミン)が知られています。レチノールはもともとレバーなど動物性食品に多く含まれ、レチノールの過剰摂取は骨密度の減少=骨粗鬆症、肝障害とも関連が示唆されていますので、日頃、レバー食や健康食品などで、ビタミンAを摂取している人は注意すべきです(30代女性の推奨量約700μgRAE/日)。一方、植物性食品に含有されるβカロテンは健康上、害はありません。『妊婦用』と記載があるサプリメント製品は安全性が高く、ご購入の際は製品ラベルを確認すると良いと思います。