全妊娠期間の42週間を、3期に分けて、最初の14週間を妊娠初期、次の14週間を妊娠中期、最後の14週間を妊娠後期と呼びます。
妊娠初期採血
子宮内に胎嚢があり、およそ妊娠6週頃に、胎児の心拍が確認できると、正常妊娠と診断されます。かかりつけの産婦人科で、妊娠届出書をもらって、住民票のある自治体の保健所、福岡市の場合は区の保健福祉センター健康課で、母子健康手帳をもらってください。
妊娠初期採血では、血液型、貧血、血糖値、風疹、成人T細胞白血病、エイズ、B型肝炎、C型肝炎、梅毒の必須検査を調べます。この他に、当院では肝機能、腎機能など血液生化学検査、甲状腺ホルモン、糖尿病HbA1cを加えて、さらに希望者にはトキソプラズマ、サイトメガロウィルス、クラミジアなどの検査を実施しています。
出生前診断について
35歳以上の高齢妊娠の場合、胎児の染色体異常がないかどうか、任意で出生前診断を受けることも可能です。検査方法によっては妊娠11週頃までには申し込みをしないと検査を受けられない場合があるので、お早めにご相談ください。決して、急ぐものではありませんが、本当に検査を受けるべきかどうか、慎重に検討した方がよいと思います。
安定期に入るまでは特に注意を
安定期は胎盤が完成して、悪阻(つわり)も落ち着いてくる、およそ16週以降の時期を指します。妊娠初期から、安定期に入るまで、本人だけでなく、周囲も注意が必要です。妊娠初期は妊娠していることが周囲の人には分かりにくいので、「マタニティマーク」を着けることをお勧めします。また、安定期に入ったからと言って、流産や早産の心配が全くなくなるわけではないので、引き続きご注意ください。