妊娠中に牛乳や卵を採りすぎると赤ちゃんがアレルギー体質になると聞いたことがありますが、本当でしょうか?

以前は、そのように言われていたこともありましたが、近年では「妊娠中の食べ物は赤ちゃんの食物アレルギーの発症に影響しない」というのが定説です。アレルギーに関しては、食べ物だけではなく、遺伝的な要素や赤ちゃんが生まれてからの生活環境などが影響していると言われています。
牛乳や卵には妊娠中に必要なタンパク質やカルシウム、鉄分も豊富に含まれていますので、自己判断で摂取量を制限せず、不安なことはかかりつけ医にご相談ください。

妊娠高血圧症の予防にも食事は大切と聞いたことがあるのですが?

妊娠高血圧症は私が大学病院で研究した疾患でもあります。そもそも妊娠は母親の身体、とくに子宮に対して強いストレスを与えますが、妊娠高血圧症は妊娠そのものを許さない体質の方や妊娠に適応しない状況下で、子宮や胎盤の生体反応が、全身に様々な身体反応を起こして発症すると考えられています。また、妊娠中に急激に太るなど、身体への負荷が大きくなることで発症することもあります。
予防の基本は食事です。塩分を控えめに、低カロリー、高たんぱくな食事を心がけましょう。

今は、妊婦さんの10人に1人が妊娠糖尿病とか・・・やはり食事が重要ですか?

はい。糖尿病の場合、食事療法や運動療法が有効ですが、妊娠中は運動があまりできないため、食事療法が重要です。まず、妊娠前の体重に応じた基礎代謝量と妊娠期間別に必要な基礎代謝量を足して、1日の総カロリーを計算します。それを分割食といって、小分けにして食べていきます。当然、油分の採りすぎなど食事内容も指導しますので、きつい作業にはなりますが、頑張ってほしいと思います。